データ不正操作事件から再考する、建設コンサルタントの「技術者倫理」
- 7月14日
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こんにちは。 建設コンサルタントAC-Souingの中園です。
7月に入り、本格的な夏を迎えましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、建設・インフラ業界に身を置く技術者として、昨今のニュースの中で到底看過できない事件がありました。
中部電力が浜岡原子力発電所(静岡県)の再稼働に向けた安全審査において、耐震設計の根幹となる「基準地震動」などのデータを意図的に操作していた問題です。
報道によると、想定される地震の揺れのデータが書き換えられていただけでなく、原子力規制庁による聞き取りや調査が開始された後にも、データを不正に組み替えていたことが判明しています。
この事態に対し、原子力規制委員会の委員長は「技術者の倫理観の喪失が集団で起こっていたのではないか」と極めて厳しく指摘しました。
この問題は、同じくインフラの設計や防災に関わり、地質や水理などの自然データを日常的に扱う我々建設コンサルタントにとっても、決して対岸の火事ではありません。
現在、私たちの業務環境でもデジタル化やDXが急速に進んでいます。高度な解析ソフトやAIの普及により、膨大なデータを短時間で処理し、複雑なシミュレーションを行うことが容易になりました。
しかし、ツールが便利になるほど「計算結果の数値を、意図する結論に合わせて容易に操作できてしまう」というリスクも同時に高まっています。
技術者倫理の喪失は、データが示す「客観的な事実」から目を背け、数値を単なる画面上の文字列として扱�ってしまうところから始まります。
地質調査や測量の結果には、自然界ゆえの不確実性やばらつきが必ず存在します。
それらのデータを都合よく取捨選択し、発注者や自社の望むシナリオに迎合させる行為は客観性が担保されておらず、最終的に構築物の安全性を根底から脅かすことになります。
今回の事件は、客観性を担保すべきデータ評価プロセスが機能不全に陥った結果と言わざるを得ません。
このような時代において、我々技術者が倫理を保つためには、以下の点が不可欠です。
第一に、データ解析の過程における透明性の確保と、第三者視点での厳格なピアレビュー(照査)を徹底すること。
第二に、デジタル上の数値だけで完結させず、常にそのデータが導き出された科学的な根拠や物理現象の法則に立ち返り、客観的に検証する姿勢を持つこと。
データは事実を明らかにするためのものであり、結論を正当化するための道具ではありません。
技術者の誇りとは、どれほど高度なツールを用いようとも、科学的根拠に基づき、社会の安全に対して誠実な判断を下すことにあります。
今回の事件を強い戒めとし、弊社におきましても、データの客観的な検証とコンプライアンスの徹底を図り、社会から信頼される技術集団として日々研鑽を積んでまいります。



