幻の「某サーキット計画」〜実現直前まで進んだ、20年前のプロジェクトを振り返って〜
- 河村 幸宏

- 2025年11月19日
- 読了時間: 3分
こんにちは。
建設コンサルタント AC-Souing の中園です。
今回は、約20年前に手がけた 「某サーキット計画」 の話を少し。
敷地面積約20haという広大な土地に、サーキット、モトクロスコース、キャンプ場、コテージなどを複合させた、かなり本格的なレジャー施設の計画でした。
事業者の資金繰り悪化により、実現目前でとん挫してしまった“幻の企画”ではありますが、私にとっては今でも記憶に残る仕事のひとつです。
■ 計画の概要:本気のレジャー複合施設
当時作成した基本計画の主な内容は、以下の通りです。
敷地面積 約20ha
駐車場 約500台
カート専用サーキット(延長約1,000m)
モトクロスコース(延長約1,000m)
オートキャンプ場 40区画
コテージ 18棟
運営管理棟・ショップ棟・広場・イベントスペースなど
今見返しても、単なる「走る場所」ではなく、
滞在型レジャー基地としてのポテンシャルを備えた計画だったと思います。
■ 設計していて感じた“高揚感”
当時の私は今以上にバイク・モータースポーツに熱を持っていた時期で、
サーキットやモトクロスのレイアウトを検討する過程で、
「利用者がどう走ると楽しいか」
「安全と攻め甲斐のバランスをどう取るか」
と、現実的かつ創造的な検討にワクワクしながら取り組んでいました。
特にモトクロスコースは、
ジャンプセクションの高さや位置、コーナー進入の角度など、
利用者の視点と安全性を両立させるために多くの時間をかけました。
■ 事業直前の“静かなる中断”
敷地造成計画、施設配置、交通導線、排水計画など、
基本的な設計要素がほぼまとまり、
行政との調整も最終段階に入っていた矢先のこと。
事業者から
「資金繰りが厳しく、計画を一旦停止せざるを得ない」
という連絡が入り、このプロジェクトは静かに幕を閉じることになりました。
どの業界でもありますが、
企画の面白さや技術的良さだけでは越えられない壁がある。
そのことを痛感した案件でもありました。
■ それでも、今でも“大切な経験”として残っている
この計画が実現していれば、地域にとっての新たな交流拠点になっていたと思いますし、
エンジンスポーツに触れられる貴重な場にもなっていたでしょう。
そして私自身にとっても、
・大規模敷地の総合計画
・レジャー施設の機能配置
・交通・動線計画
・自然環境との調和
・ユーザー目線の安全設計
など、今の仕事にも通じる多くの学びを得た案件でした。
たとえ“幻”だったとしても、
技術者としての経験値は確実に積み上がっていると感じています。
■ 最後に
現実にならなかった計画にも、
そこに関わった人たちの想い、そして技術者としての足跡が確かに残っています。
今回の振り返りを通じて、改めて
「企画の面白さと、技術の可能性」
を感じるとともに、
いつかまた、こうした夢のあるプロジェクトに携われたら——
そんな気持ちを少しだけ思い出しました。



